現在、多重債務問題の解決を目的に、消費者信用業界への規制が強化されつつあります。2006年に改正された貸金業法の影響(※過剰貸付規制の強化を段階的に施行する)から、クレジットカード会社各社は貸付金額の総量規制を視野に入れて動き始めているのです。
今回はこの「総量規制」について詳しく見ていきたいと思います。
Q:総量規制が導入されると、クレジットカードのキャッシングの限度額が低くなったり、限度額を増やすことが難しくなったりする可能性があると聞きました。この「総量規制」とは、どのようなものなのでしょうか? 詳しく教えてください!
A: 「総量規制」とは、2006年に成立した改正貸金業法に記載されている概念で、原則として年収の1/3までしか無担保貸付ができないとされます。つまり、借り主の年収の1/3を超えた額は「年間返済能力を超えた額」とみなされるわけです。
■貸金業関連3法、法改正による規制強化について
クレジットカード会社を含む、消費者信用業界が事業を行う上での法的枠組みとしては、前述の「貸金業法」と「出資法」があります。これらに「利息制限法」を加えて「貸金業関連3法」と称されています。これらは、多重債務問題の解決を目的に2006年12月に大幅に改正されました。
その内容を4つのポイントにまとめると──。
(1)貸金業の適正化
(2)過剰貸付の抑制
(3)金利体系の適正化
(4)ヤミ金融対策の強化
これらは、2010年6月を目処(めど)に段階的に施行される予定です。
総量規制は、(2)の過剰貸付の抑制に該当し、2010年6月には年収の1/3までしか無担保貸付を受けられなくなります。例えば、年収300万円の方であれば、年間で100万円までしかキャッシングやローンなどの無担保貸付を受けられなくなるのです。
■クレジットカードではキャッシングに適用(2009年3月現在)
2010年の総量規制の本格導入に向けて、消費者金融会社やローン会社はもちろんですが、クレジットカード会社も動き始めました。「無担保貸付」が対象ですので、クレジットカードの場合「キャッシング」が対象になりますが、既にこの限度額を抑制するカード会社も出始めています。
■カードユーザーへの影響
総量規制により、既存のカードユーザーは、どのような影響を受けるのでしょうか? 前述した「年収の1/3までしか無担保貸付を受けられない」ということに加え、カード入会時に以下のような条件が設けられます。
1.単一のクレジットカードの総借入残高が50万円を超える場合
2.所有するクレジットカードの総借入残高が100万円超となる場合
上記に該当する場合、クレジットカード契約時に源泉徴収票などの根拠資料の提出が義務づけられます。さらに信用情報機関により債務状況が調べられ、その際に収入の1/3を超える貸付であるかどうかが調査されるのです。もし超えていれば貸付が受けられなくなります。
2010年の改正貸金業法の施行を見据えて、各カード会社は審査基準の見直しやキャッシング限度額の抑制を始めています。種々の問題を抱えていますが、この総量規制が私たちカードユーザーにどのような影響を与えることになるのか、今後も目が離せません。
|